医療の質向上|Quality Improvement
医療の目的は医療費を削減することではなく,患者に対してより良いサービスを提供することです.Institute of Medicineが21世紀の医療改革にむけて,患者中心主義を主軸の1つとして提示したように,今後の医療においては患者の価値を中心に考えることは,ますます重要となります.医療においては,良質なサービスを提供することをまず第1の目的として設定し,その為にどのような資源を投入する必要があるのかを検討することが不可欠となります.従って,診療報酬をはじめとした医療提供体制や臨床現場における取り組みの調整・検討を行う上でも,「医療の質向上」という視点に基づくことが必要とされます.
医療品質評価学講座は「医療の質向上」というコンセプトを主軸に,臨床現場のスタッフの方々との連携の下で研究・実践活動を行っています.当講座では,各領域において臨床現場が理解・納得できる指標を同定し,継続的に情報を活用するための臨床データベースの構築・運営の支援を行っています.一方で実証的なデータに基づいた「医療の質評価」や「アウトカム分析」,「政策研究」や,医学研究における学術的質の担保,医療の質の評価法など,学術的方法論の構築・体系化についても取り組んでいます.